自力投資と他力投資のハーモニー
2020年11月19日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
古今東西、
株式会社という箱を創る創業者は
『壮大なビジョン』を掲げて猪突猛進します。
まるで赤ちゃんがそのままオトナになったような、
ピュアな「ハート」と「野望」を持ち合わせているのです。
1990年にアメリカのABCテレビ
「Night line」という報道番組に出演した、
ソニーの当時の会長 盛田昭夫さんの映像が残されています。
わたしはちょうどこの時米国に留学中で、
盛田さんは日本流の労務管理について熱弁を振っておられました。
○ アップルを興した人も、
○ ゼロックスを興した人も、
○ ソニーを興した人も、
○ 三菱を興した人も、
「株式会社」という器を利用して
自身で果敢にリスクを取っていく
『自力投資の人たち』です。
世の中にはこのような『自力投資』に長けた人が一定割合いるもの・・。
しかしながら、
未来に突き進む株式会社がその事業を拡大するとき、
最大の障壁となるのが『資金調達』です。
何の関係もない、
会ったこともない、
数千、数万人の人から集められるかどうかがカギを握ります。
ちょっと想像してみてください。
たとえば、
徳島ハム(今の日本ハム)や、
東京通信工業(今のソニー)といった新興の企業に対して、
思い切って資金を出してみようという類の『リスクマネー』提供者は、
(実は)三軒どなりの煙草屋のおばさんだったりするわけです。
あなたも、わたしもそうですね。
私たちは『他力投資の人』なのです。
まだその存在を知る人が少なかった東京通信工業は、
新鮮な「空気」を吸い込むように
数万、数十万の小粒のリスクマネーを摂取して、
果敢に次なる投資を行っていきました。
「リスクマネー提供者」と「リスクマネー需要者」の間を取り持ってくれるのが、他ならぬ『株式市場』なのです。
わたしのようなふつうの生活者でも、限られた責任の下
手持ちの資金を投資できる『インフラ』があるのは素晴らしいこと。
何より『株式投資』の優れたところは、
マネーの提供者としての資格を、
特別なにも問わない点でしょう・・。
(※今年5歳のマコト君でもOKなわけです)
『他力本願型』の、
つまりは自分に投資をしてくれる人たちの存在は必須。
市場(マーケット)は新陳代謝を繰り返し、
『他力本願型』の投資家の需要を満たすことにもなります。
「自力投資」と「他力投資」は、この社会においてクルマの両輪なのです。
ところで、『他力投資の人』の間ではこの30年くらい、
一個の株式会社のみではなく、
数多の株式会社に同時に投資を行う「スタイル」が人気を博しています。
それが『投資信託』です。
投資信託はアクティブファンドとインデックスファンドに分かれますが、
市場(マーケット)が精密機器のように健全に作動するためには、
(インデックスファンドより)
アクティブファンドのほうがより重要な存在と云えます。
アクティブファンドこそが
『株式会社・発掘機能』を有しているからです。
アクティブファンドが正常に機能することで、
「自力投資」を行う事業家に対する、適正な評価が可能になります。
私たちインデックス投資家は、
この事実を深く受け止めるべきでしょう・・。
カテゴリ:投資の発想法