老後になったら投資信託を取り崩し→ 使っていくに専念してよいのですか?【あなたの疑問に答えます!】
2020年10月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
当クリニックのお客様から頂戴した
さまざまな『質問』にお答えしていくウィークです(^^)
その名もズバリ、
『あなたの疑問に答えます!』
第3回!
吉川さん(仮名)・愛知県
老後に投資信託を取り崩しながら生活する場合、
例えば、10万円解約して、
そのうち3万円はまた運用したほうがいいのでしょうか?
それとも、積立はなしで、
ひたすら取り崩しても大丈夫なのでしょうか?
ちなみに死後、残すべき人はいません。
ひとすら(規則的に)取り崩しましょう。
この仕事(相談業務)を長年やっていますと、
さまざまな発見があります。
以下もそのひとつ・・。
投資信託のつみたてを続けるより、
投資信託を継続的に取り崩すことのほうが、難しい。
意外でしょうか?
端的に申しますと、
お金を増やすことより、
(金融商品を解約して)
お金を使っていくことのほうがより難しいのです。
吉川さんは当クリニックのセミナーに
ご参加いただいたくらいですから、
資産運用を真摯に捉え、
「お金をいかに増やしていくか」に心を砕かれているはず。
そもそも、
「いかにお金を増やしていくか」という思考回路を持たないと、
投資信託のつみたてをコツコツ続けるなんて出来ませんね。
ところが、仕事が一段落し、
(お子さんがおられる家庭では
子どもさんが独立したりすると、)
誰しも大きな『方向転換』を迫られるようになります。
「あれ?再来年にはリタイアだよ。」という時期が、いずれ来るわけです。
すると、それまでの
「いかにお金を増やすのか」から、
「いかにお金を取り崩していくか」という方向に、
(※運用そのものは続けながら)
180度【ベクトル】の転換を迫られます。
文字通りコペルニクス的転回であり、実際はなかなか『ハードル』が高いのです。
理由はお分かりですか?
お金を使うことが不得手なためです。
吉川さんも(おそらく)そうではないでしょうか?
上の図を見ていただくと、
個人の資産管理で何が難しいかが一目瞭然です。
私たちはある日突然、
「取り崩し!」(使う)の『スイッチ』に換える必要があるのです。
わたしが相談業務でお会いするのは、
お金を増やすことに真面目な人です。
そういう相談者さまが、
リタイア後も
投資信託のつみたてを続けたりしていると・・、
だんだんと「リスク資産」の割合が高くなってしまいますし、
何より、77歳くらいになって、
「あれ?
今が生きてきた中で最高の資産額になっている・・」
という事態になりかねません。
吉川さん、ちょっと冷めた視点を持ってみましょう。
「つみたて」とは、
リスク資産をコツコツ積み増すことです。
仕事を辞めてセカンドライフに入れば、
もう、投資信託で「つみたて」をしていく
= リスク資産を積み増す必要はありませんね。
若いときから定年時までの間に、
少しずつ計画的に『リスク資産』を積み増すことがいかに大切か。ということでもあります・・。
お金を「増やす」と「使う」のバランスを適正にするためには、
上図のように、
リタイア後は
うまく山を下っていくスキルが求められるのです。
すなわち、運用そのものは続けながらも、
これまであまり関心がなく、
どちらかというと不得手だった『お金を使う』ことに、注力していく必要がある。
(ちなみに定期的に投資信託を取り崩す作業は、
SBI証券や楽天証券の「定期売却サービス」を使ってくださいね。)
この、
お金についての根本・発想転換を行うには、
定年退職に至る、少なくても5年位前から、
『別人格』を形成していく必要があります。
??
どんな人格なのか?
これからのセカンドライフで
・・なかなかにヘビー(かつ)楽しい課題(^^)
吉川さん、その時が来れば
どうか「増やす」から「使う」に華麗に転身してくださいね。
このたびはご質問、ありがとうございました!
〇 ちゅり男さんのこちらの記事もご参考に。
『老後に自分の積み上げた投資信託を取り崩すのが不安』
カテゴリ:100年ライフプラン