経済よもやま話

何やら不気味なアメリカの株高、中国の不動産高

2020年7月19日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

はじめに・・。

今回の新型コロナウイルスの出現は、
誰のせいでもありません。

消費者の過失でも、
政府の怠慢でも、
企業が致命的なミスを犯した結果でもありません。

 

 

このような誰の責にも帰さないリスクですが、
現状ほぼ「国家」にそれを背負わせています。

(やがてこの債務は回り回って、
「税負担」として私たちに帰ってくるわけですが。)




人が会する場が減り、
たとえ会しても人数が減るので、
自然、消費のボリュームは減少します。

(この傾向、数年は変わらないのでは。)



国(政府)はその分ともかく財政支出を増やし、
大小の債務も保証して、
「最悪の事態になることは極力避けますよ」というメッセージを発しています。

残念ながら、
政府が思い切ってお金を使う主体にならないと、経済の縮小が止まらないためです。

 

 




ところがここで問題が起こります。

企業も人も、何百万、何千万という個の集合体ですが、政府はたったひとつです。

この大風呂敷がエイヤーと支出を行うと、
なかなか細かい流れ(細かいニーズ)に対応し切れません。



まるで目の粗いザルから水がこぼれるように、
お金が方々に散らばって、
やがてその一部が手ごろな資産購入へと向かったりします。

 

 

アメリカでは株高が現出し、
中国では不動産高が現出しています。

 


以下、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事です。

【52兆ドルの中国不動産バブル、コロナでも止まらず】
中国大都市の土地価格上昇は2000年代の米国の住宅ブームをはるかに超える



上記記事内の
チェン・ジーユウ氏(37)のコメントが意味深です。

「政府が支出を増やせば必ず、資産価格は上昇する。
米国では株価が上昇しているが、中国では住宅価格だけが急上昇を続ける」

 

 

同記事によれば、
ウイルスの影響をもろともせず、
世界最大の資産バブル(=中国の不動産価格上昇)
は今も進行中と云うのです。

 

 



画像元:ウォール・ストリート・ジャーナル


目利きがある投資家は、
株高も、そして不動産高も
政府が容認しており、これを潰すはずがないと読んでいます。

再度記事からの引用です。

彼らは、経済全体の状況がどうなろうと、
大都市の不動産が
中国における最も安全な投資対象であり続けると信じているのだ。

 

 


これはそのまま、

投資家は、経済全体の状況がどうなろうと、
アメリカの株式が最も安全な投資対象であり続けると信じているのだ。


に置き換えられてしまう「危うさ」を孕んでいます。

 

バブルはいつも歪みから生じますが、

実体経済と金融市場がかい離するとき
最後には、金融市場が実体経済にさや寄せされることを、歴史は物語っています。

 

大統領選が終わり、
「今までと同じような財政支出はもう出来ないよ」というメッセージが伝わったとき、そのさや寄せが始まるような気がしてなりません。

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