なんとも高価な本です。『経済統計で見る 世界経済2000年史』(アンガス・マディソン著)
2020年7月3日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
あなたが購入された書籍の中で
もっとも高いものは何ですか?
わたしの場合は
『経済統計で見る 世界経済2000年史』(アンガス・マディソン著)です。
ナント13,650円もしました(-_-;)
えっ、すでに中古品のみ? (価格も高くなっているし。)
この本は、
紀元1年から2000年までの世界の人口、
また実質GDPを通観できるようにした貴重な「経済統計書」です。
ちょっとひも解いてみましょう。
たとえば西暦1500年!
この年、ピンソンがヨーロッパ人として初めて
現在のブラジルに上陸しています。
西暦1500年の
「世界の実質GDP総額の地域別シェア」が
同書150ページに記載されています。
ちょっと覗いてみます。
ウェスタン・オフシューツ 0.5%
日本 3.1%
アジア(日本を除く) 62.1%
ラテンアメリカ 2.9%
東ヨーロッパと旧ソ連 5.9%
アフリカ 7.4%
(※ ウェスタン・オフシューツとは、アメリカ、カナダ、
オーストラリア、ニュージーランドを指します)
世界の中心は紛れもなくアジアであったことが分かります。
ヨーロッパはまだまだ辺境だったのです。
(そしてアメリカは国すら存在していません。)
時は流れ、
19世紀から20世紀前半にかけてアジアの国々は辛酸をなめます。
そして、西暦1998年の「世界の実質GDP総額の地域別シェア」が下表です。
ウェスタン・オフシューツ 25.1%
日本 7.7%
アジア(日本を除く) 29.5%
ラテンアメリカ 8.7%
東ヨーロッパと旧ソ連 5.3%
アフリカ 3.1%
アメリカ、カナダ、オセアニアは
ほぼゼロの状態から大きく成長しています。
アジアはいま復活の途上にいます。
またアフリカは500年前に比べてシェアを落としています。
この500年ほどを俯瞰すると
経済の『大きな潮流』はまるで
太平洋 ⇒ 大西洋 ⇒ 太平洋と、旋回してきているようです。
今起こっている『アジア地域』の経済勃興が、
(実は)勃興ではなく復活であると認識できる点にあります。
野村證券のレポート
『世界の中の日本』から次の言葉を引用してみましょう。
2050年にはアジア諸国全体で
世界のGDP(国内総生産)の半分を上回るシェアを占める可能性がある。
画像元:野村證券レポート『世界の中の日本』
未来を仰ぎ見れば、
そのアジア諸国も、
「老いる国々」と「若き国々」で二極化していくと思われます。
今はコロナ渦で動けませんが
海外旅行に行けるようになったら、
若い人はアジアの「若き国々」に行くべきでしょう。
(具体的にはフィリピン、インドネシア、ベトナム、カンボジアなど。)
若者は生涯でなんども「その国」を訪れながら、
「その国」の変化を如実に感じることができるはず。
ヨーロッパに行くのは50を過ぎてからでよいのです。
カテゴリ:経済よもやま話