経済の回復過程は2つのフェーズに(バンガード社Joe Davisさんの解説記事より)
2020年5月3日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
バンガード社のグローバルチーフエコノミスト
Joe Davisさんの解説記事を見つけました。
『The‘Great Fall’and the road to recovery』
上記記事内でDavisさんは、
欧米、アジアの国々の徹底した規制は
夏までには緩和され始めるとしています。
今後、一部の分野では他の分野より迅速に回復が進みながら、
経済活動は徐々に再開されるだろうと予想しています。
以下、一部引用はわたくしの意訳となります。
(言葉の細かいニュアンスに相違があるかもしれません。
その点、くれぐれもご留意くださいませ)
しかし、状況がバラ色になるわけではありません。
「供給」(封じ込め政策に起因する)
そして「需要」(外食、旅行、大規模イベントへの参加など、
消費者が対面の活動をすぐに再開することを避ける可能性が高いことに起因する)、
双方のショックを考慮すれば、
企業活動をパンデミックの前の状態に戻すためには
U字型の回復となり期間は2年を要するかもしれません。
つまり「Great Fall」、
真っ逆さまに落ちるタイプの不況であるがゆえに、
その回復も急速ではあるが、
―この部分はV字回復(Phase A)ですね。―
それ以降、経済が元の姿に戻までには相応の時間がかかる。
―この部分はU字回復(Phase B)―
という見解なのです。
もちろんDavisさんは
不確定要素についても言及されています。
ウイルスの第二波か突然変異かが、
広範なシャットダウンを再び迫ることを我々は予測できない。
我々はそれをリスクとして見なすことができるだけだ。
これは私見ですが
最終的には「自然に」
あるいは「ワクチン」によって、
多くのヒトが集団免疫を獲得するまで、新型コロナウイルスの問題は続くことになるのでしょう。
わたしは現在、メディアが醸し出している
「あらゆるリスクはゼロを目指すべきだ」という無言の圧力に違和感を覚える人間です。
世の中のリスクは『ゼロ』になど出来ないからです。
これまでヒトはリスクをうまく手なずけ、リスクと共生してきました。
それはこれからも変わることはありません・・。
カテゴリ:経済よもやま話