つみたてNISAを始めたばかりの人へ。耐え忍ぶのではなく、ニッコリ笑ってよいのですよ
2020年3月24日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今年に入ってつみたてNISAを始めた人は、
「ワタシ最悪のタイミングで始めた?」と
少々焦っているかもしれません。
また、この4月から
つみたてNISAにお金を入れる予定だった人は、
株価が少し戻ってから始めたほうがいいかも。」と考えているかもしれません。
お気持ちは、すごーく分かります。
自分は何も悪いことしていないのに
新たなコトを始めようとした途端、
外は雨と嵐で、
おまけに温度がどんどん下がってきて
全身が寒くなって、
おまけにたった「独り」で、
身近にそのコト(つみたてNISA)について
話し合える『仲間』もいないと、
もう落ち込んで、
『やる気』も失せて、
あーあという心持ちになってしまいがちです・・。
それで?
・・つみたて金額を減らしたり、
・・つみたてNISAへの拠出を中断したり、
・・せっかく積み立てた投資信託を売ってしまったり、
しては、
(絶対)
ゼッタイ
駄目ですよ。
あなたは決して『独り』ではありません!
意外に思われるかもしれませんが、
あなたと同じく「つみたてNISA」を始めている、あなたと同じように若い投資家が、
意外に淡々と
次のように発言されていますよ。
以下、日経新聞記事(3月24日付)より。
NISA、波乱相場で強み
<隣のインベスター>第4部(上)
コロナショックでも1250億円流入 個人、冷静に積み立て
投資歴1年目の大阪府の会社員、
中崎紘登さん(25)は
少額投資非課税制度(NISA)を利用した積み立て投資で運用している。
昨春に会社に入ってから
毎月2万円ずつ積み立ててきた。
運用益が順調に上がってきた矢先の
今回のコロナショックに中崎さんは慌てる様子をみせない。
「どんな時であれ、
冷静に一定の額を積み立てると決めています」とクールだ。
ん? どうして中崎さんは
そんなにクールでいられるのでしょう。
もしかすると『つみたて投資のカラクリ』を
肌感覚で知っているからでは。
以下、大和証券のライフプランコラムに
とても分かりやすい図表が載っています。
画像元:大和証券 ライフプランコラム
新型コロナショックでも「いま、できる、こと」(1)
ちょっと昔話になりますが、
一緒に「リーマンショック」の『暴落時』に戻ってみましょう。
『図表』を見れば分かりますが、
リーマンショック直前の高値の時点、
つまり2007年の6月から
「つみたて投資」をスタートしていたら・・。
どうなったと思われますか?
世間的には、
「君、最悪のタイミングで投資を始めたね。」と
言われかねない状況ですが・・。
ここではあなたは、
MSCIコクサイ指数との連動を目指す
「先進国株式インデックスファンド」につみたてをし始めたとします。
その『MSCIコクサイ指数』は
2007年6月を「100」とすると、
2009年2月にはナント「39」まで落ち込みます。
暴落です・・。
ところが、
あなたは「先進国株式インデックスファンド」に
その2007年6月から
積み立てを続けているにも関わらず、
あなたの『資産評価額』は
そんなに、落ち込んではいません。
これってなぜ?
あなたの資産評価額が落ち込まないのは、
けいぞくして買い続けることで、
毎月、より多くの『口数』を積み上げ、
それが結果として評価額の落ち込みを抑えているからなのです。
それに、
つみたて投資を始めたばかりの頃は、
資産がほとんど積み上がっていないため、
そもそも大きなマイナス金額にはなり得ません。
くり返しになりますが、
つみたてを始めて最初の4、5年くらいまでは、
資産評価額がプラスになっているか
マイナスになっているかに、ほとんど意味はありません。
これから「つみたてNISA」で20年、
つみたて投資を続けていくと想像してみましょう。
投資信託を「いくらで」買ったのかは、今、決まります?
いいえ。8年後にも、決まりません。
最後(240回目に)ようやく
「投資信託の平均取得価格」が決定するわけです。
また、
つみたて投資の中で
「どのくらい」「口数」を稼げたかも、
これから240回かけて、ようやく決まることなのです。
正直、今マーケットが下がろうが
上がろうが、あなたの最終の成績にはほとんど影響しません。
ゆったり『お昼寝』の気分で構えていてよいのです・・。
わたしは
つみたてNISAを始めてすぐに『暴落』に遭うのは
むしろラッキーなことだと思います。
(ニッコリ笑ってよいのです!)
最初のほうに
予期せぬ、気持ち的に『つらい経験』をしておけば、
(そして)その状態を乗り越え
自分が行ったことが「正しかった」とのちのち納得できれば、
次に大きな波が襲ってきたときに、
あなたは一回り大きくなって
市場と平静に向き合うことができるようになるためです。
まあ、20年も「つみたてNISA」を続ければ、
どのみち、暴落にもバブルにも遭遇することになります(^^)
最後に・・
こういうときこそ、
「つみたてNISA」の大元、金融庁さんには
つみたてNISA加入者に向けて、
『長期・分散・つみたて』の原則を踏まえるような
力強い情報発信を、
積極的に行っていただきたいと思います!
カテゴリ:NISA活用法