投資の発想法

投資とは、階段の上りをちょっぴりラクにしてくれる装置に過ぎません

2020年1月6日

こんにちは。
投資信託クリニック代表の カン・チュンド です

書籍『ゴーギャンの手紙』を読んでいると、
あらゆるところでお金の話が出てきます。

 

〇 今、いくらお金を借りている・・
〇 この借金を払うためには、○○からお金を調達しないと。
〇(絵を売った)前渡金がまだ入って来ない・・

 

ゴーギャンがタヒチにやってくる定期船で
いつも確認するのは、手紙とその内容(お金)のことでした。

 


彼はタヒチに渡る前、
カリブ海のマルティニークで一度破産しており、
国の費用でフランスに送り返されたりもしています。

死去したときも
莫大な借金が残ったため、
彼が描いた作品群は二束三文で売られ、
結果、ゴーギャンの絵は方々に散らばってしまったのです。

 

 

 


そんな彼のお金の収支状況に比べると、
私たちの生活は
なんと穏やかで安寧なことでしょう・・。

仕事にはもちろん不安定な部分はありますが、
社会保障・福祉のしくみがある程度整っており、
野垂れ死ぬことを意識して生きていく必要はありません。

 


わたしはふだん投資のお話を一所懸命しています。
が、別に投資そのものが大切なのではなく、

 

身の丈に合った生活をし、
毎月いくばくかの「お金」が残るような習慣を確立することが何より重要なのです。

 

お金にまつわる話の八割方は上記に収斂するとわたしは思います。
もし、あなたにも↑それができるなら、
老後の不安などにことさら身構える必要もないわけで・・。

 

身の丈に合った生活をし、
毎月いくばくかの「お金」が残るような習慣が確立する。

それが(経済的側面での)
人生という名の坂を上っていくことに他なりません・・。

 

 

 

 

 

「じゃあ、投資とは?」
その坂の上り方を、
ちょっとだけラクにしてくれる装置なのです。



たとえば、

〇 保障に絞って保険に入ること。
(もちろん保険という道具がぜんぜん要らない人もいます)

〇 お子さんの教育費も大切だけど、
自分たちの老後の生活資金を(あくまで)優先順位1位と置くこと。

 

〇 「ここはみんなと同じに振る舞って、
とりあえずお金を出しておこう」とか、

周りのヘンな同調圧力のために、意味のない出費をしない。


〇 この先、価値が逓減する可能性が高い
住宅という資産に投資をしないとか。

〇 今の仕事が順調なうちから次のキャリアを模索し、
実際にセカンドキャリアを実現するとか。

 

 


これらすべて、

身の丈に合った生活をし
長いスパンで毎月「お金」が残るような習慣を確立するための、
施策なのです。

 

そのいっぽうで投資は?
投資は、毎月「お金」が残るという習慣のとなりに
まるで無口な友人のように鎮座しています。


もし、興味があれば、
彼・彼女(投資)に声を掛けてもよいでしょう。

ただ、もしあなたが、投資が持つ一大特徴、

アットランダムな価格変動というものが
どうしても性に合わないなら、無理して投資に取り組む必要はありません。

 

 

『価格変動』を心情的に許せない人が
無理に投資に取り組むと、
価格が下落したときに「売却」を繰り返すという行為に出てしまい、(預金するより)かえって資産を減らしてしまいますから・・。

 

 


1年の初めなので、
あえて強調して申し上げましょう。

 

万一インフレになったりすると大変だから、
投資をしておきましょう・・

 

というのは、
資産運用業界のポジショントークです(-_-;)

 

仮にこの日本で物価上昇率が明確にプラスになり、~5%程度までのインフレが恒常的に続けば、

預金の金利も、
(個人向け国債10年ものの金利も)
多少のタイムラグはあっても上昇していくため、

そんなに心配することはないのです。


長い目で見た場合、
投資の役割は、
資産が積み上がっていく「上り」を少しラクにしてくれる装置に過ぎないのです。

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