LINE証券、投資信託の品ぞろえを発表!でも方々に気を使いすぎでは?
2019年11月29日
こんにちは。
投資信託クリニック代表の カン・チュンド です。
「LINE証券」が投資信託のライナップを発表しています。
リリースはこちら。
100円から1円単位で購入ができ、
購入時手数料が「ゼロ」という点は予想通りでした。
意外に思ったのは、
計28本のファンドで運用会社が13社もある点。
(LINE証券は野村ホールディングスとの合弁会社なのに、野村AMのファンドは2本のみ。)← まあ、ここは評価してよいのでは。
「LINE証券」は個別株がメインであり、
「トレード」「ギラギラ系」の香りが基本していますから。
驚くべきはそのうち6本が「eMAXIS Slim シリーズ」であること。
実はリリース内でも言及されているのですが、
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」での受賞履歴が
ホントに(採用に)影響しているようです。
下図は先進国株式のみのラインナップ。
画像元:LINE証券 リリース
これは問題なのでは?
そもそも、株式に比べ
期待リターンが低い債券ファンドこそ、
コスト比率を抑えるために、
運用管理費用を極力低くすることを心がけないといけないのに、ここは合点がいきません。
たとえば、日本債券アクティブファンドの老舗、
「エス・ビー・日本債券ファンド(愛称)ベガ」は98年の運用開始ですが、
もう、国債は利益を生まないため、
債券の構成比率を見ると、
国債 33.7%
事業債等 65.8% となっており、
運用管理費用の年率0.407%自体、コストの塊と化してしまいます。
(あと、フィデリティのハイイールド債券ファンドも大いに??です)
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」が入ったのはgoodでしょう.
少し残念なのは、
「ブラックロックおまかせバランス投信」です。
当該ファンドはLINE証券の投信取り扱いに合わせ、新たに設定されたようです。
ところが・・、
交付目論見書によれば、
各資産への投資割合および
組入外貨建資産に対する為替ヘッジの比率は、
委託会社の判断により機動的に変更を行ないます。
ということで、
当該ファンドは
タクティカル・アセット・アロケーション型のバランスファンドとなるため、
ご覧のように、
画像元:ブラックロック 交付目論見書
当ファンドの中身は
インデックスファンド、ETFであるにもかかわらず、
「アクティブ型」に分類されているようです。
(そして、なぜか運用期間は2029年8月2日まで。)
→ 万一人気が出なかった場合に備え
「逃げ道」を用意しているのでしょうか?
LINE証券は、
上場商品(個別株・ETF)を積極的にトレードする「潜在顧客層」に準じて、
投資信託のユーザーを想定しているのでしょうか?
それならば、
投資信託の品揃えはもっと個性的で、
テーマ型なども揃え、もっとアクティブでも良かったのでは。
逆に、
LINE証券内において投資信託は
・少し「おとなしめ」の、
・超ビギナーをメインユーザーとして想定しているのでしょうか?
それならば、もっと本数を絞り、
インデックスファンドを「メイン」にしたほうが良かったと思います。
今回の投信ラインアップは
いろいろなことに気を使いすぎ、総花的になっているのが気になります。
最後に・・・、
『つみたてNISA』についてはリリースで言及がありません。
つみたてNISAには対応する意向はないということでしょうか?
ココ、もったいないと思います。
カテゴリ:金融機関にモノ申す