フツーの人の、フツーの人による、フツーの資産運用「出口戦略」とは?
2019年11月16日
こんにちは。
投資信託クリニック代表の カン・チュンド です。
資産運用という長大なプロセスは、
貯める → 増やす → 使うという流れ全体を指しており、
ゴールは言うまでもなく、
「老後をエンジョイしながら、お金を楽しく使うこと。」です。
そのためにわざわざ運用を行うわけで(^^ゞ
一例ですが、
65歳でめでたく定年退職され、
来年から「セカンドライフ」が始まるあなたは、
トータル資産のうち、
40%を・・預貯金(個人向け国債10年物含む)で
60%を・・投資信託(リスク資産)で保有していくつもりです。
「カンさん。
取りあえず長く生きするリスクに備え、
まずは「預貯金」から取り崩していきます。
投信の資産は順調に育っているので、
ここは安易に解約せず温存して・・。」
フム。お気持ちはよーく分かります。
でも、正直申し上げて、
正々堂々と投資信託からも
取り崩しを行っていってよいのでは。
セカンドライフの収入のメインは?
『公的年金』ですね。
(プラス企業年金がある人も。)
そこで足りない部分を
自身の資産から『取り崩して』いくわけで、
ポイントとなるのは、
〇 保守的になりすぎず・・
〇 冒険しすぎず・・
適正な「バランス感覚」を維持することではないでしょうか。
たとえば、
10あるトータル資産のうち、
4が安全資産で、6がリスク資産の状態で、
安全資産ばかりから
取り崩しを続けるとどうなるでしょうか?
あなたがお年を重ねて
69歳とか74歳になったときに、
投資信託(リスク資産)の割合が
どんどん増えている状態は
果たして健康的といえるでしょうか?
神は細部に宿りますが、
お金は大局で観て(はじめて)意味を成します。
こんな「具体例」・・・。
『公的年金』以外で
月10万円は欲しいなあと思っているとしましょう。
年間でいうと120万円です。
4割は安全資産から、
6割は投資信託から『取り崩す』のです。
ただし、
投資信託は常にアップダウンしていますから、
毎年1回の『取り崩しの時期』に
大まかに見て「4:6」になるように、
各々の取り崩し額を調整すればよいわけです。
そう、
セカンドライフでやるべきことはいたってシンプル。
リタイア時に定めた
安全資産とリスク資産の比率を
ひたすらキープしていくことなのです。
そして、
リスク資産の取り崩しの中身を
具体的に想像していくと、
どんなふうにお金を引き出すか、
〇 つみたてNISAはいつから、
どんなルールで解約していくか、
〇 特定口座で運用している投資信託はどう売っていく?
と、
「3つの入口」ごとで
それぞれ出口戦略を考え出すと、
もう頭の中がペルシャ湾(ごちゃごちゃの状態)になってしまうことが、お分かりいただけるはずです。
ここもシンプルに、
年に1回「リスク資産」を取り崩す
それを繰り返すというルールの中に、
イデコ(iDeCo)もつみたてNISAも
特定口座も、等しく組み込んでしまうのが得策なのです。
『3つの入口から、同時に、
規則的に取り崩しを続けてあげる。』
これこそ、フツーの人の、まっとうな「出口戦略」ではないでしょうか?
カテゴリ:ポートフォリオ運用