よ~いドン!でゼロから始める山根さんと、特定口座ですでに運用をしている吉川さんでは、取り組み方が違ってくるのがiDeCo、つみたてNISAです
2019年11月5日
こんにちは。
投資信託クリニック代表の カン・チュンド です。
今まさに「よ~いドン!」で
山根さん(仮名)は始めようとしています。
iDeCoも、つみたてNISAも、特定口座も。
いずれもゼロベースから「つみたて投資」のスタートです。
毎月のつみたて額は?
ちょっと頑張って8万円です。
掛金はこんな内訳。
〇 つみたてNISA(33,000円)
〇 特定口座(24,000円)
また、3つの入口ごとで
投資対象を、
〇 つみたてNISA 先進国株式(約41%)
〇 特定口座 日本株式 (30%)
にしようと思っています。
(括弧内は毎月の掛金の割合。)
上記はきわめてシンプルなポートフォリオですが、
解説書によくある、
『複数の入口で、
ひとつの資産配分を作りましょう!』は
ここではうまく行きません(-_-;)
「えっ!?」
その理由はカンタンで、
掛金がいちばん大きい
(即ち、資産額が最も大きくなるであろう)
つみたてNISA(先進国株式)で『リ・バランス』が実施できないためです。
仮に、ですが、
積み上がった資産ベースで
先進国株の割合が「50%」まで膨らんだとしましょう。
ほんとうは先進国株を9%売って、
そのお金で
割合が減った日本株や新興国株を買い増ししたいもの。
(これが『リ・バランス』ですね)
ところが、つみたてNISAでは
ファンドを一部解約すると、
そのぶん非課税枠を使い切ったと見なされます。
それでも、売るには売れるのですが、
売ったお金で
(毎月のつみたて以外で)
任意に投資信託を買い付けることが(そもそも)出来ません。
この時点でもう、
「3つの入口で、1つのポートフォリオ案」が
頓挫してしまうわけです・・(残念。)
資産管理をこなしていこうとすれば、
『3つの入口で
3つのポートフォリオ』という戦略が必要になるのです。
つまり、
新興国株式 (約29%)
先進国株式 (約41%)
日本株式 (30%)
〇 つみたてNISA
新興国株式 (約29%)
先進国株式 (約41%)
日本株式 (30%)
〇 特定口座
新興国株式 (約29%)
先進国株式 (約41%)
日本株式 (30%)
という考え方です。
(※ そして「リ・バランス」は
iDeCoか特定口座で行うわけです)
いっぽうです。
すでに特定口座で600万円ほど
運用を行っている吉川さんには、違った景色が見えてきます。
吉川さんは今、特定口座で
先進国株式 246万円 (41%)
日本株式 180万円 (30%)
というポートフォリオを組んでいます。
(毎月の掛金の内訳も
上記のパーセント通り。
つみたて金額月8万円とします。)
吉川さんの最大の特徴は、
『特定口座』ですでに資産が積み上がっている点。
また「iDeCo」「つみたてNISA」は
ゼロからのスタートです。
これまで月8万円のつみたては
すべて『特定口座』でしてきた吉川さんですが、
今月から、
〇 iDeCo 新興国株式 (約29%)
〇 つみたてNISA 先進国株式(約41%)
〇 特定口座 日本株式 (30%)
というふうに、
3つの入口ごとで
投資対象を分けることにしました。
この場合、特定口座で
先進国株、新興国株、日本株の資産が
すでに積み上がっているため、
iDeCo、つみたてNISAは、
投資対象をただ積み立てるだけで用が足ります。
なぜなら、
『リ・バランス』そのものは
いつも特定口座で行うことになるためです。← ココ、重要!
吉川さんの場合、
「特定口座」が運用資産全体のコントロールタワーの役割を担い、
いっぽうの税制優遇口座は
積み立てオンリーで半ば放置できるわけです。
このように
あなたの「ご資産状況」如何によって、
税制優遇口座の利用のしやすさは
変わってくることをどうかお忘れなく・・。
カテゴリ:NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)