インデックス投資全般

アメリカ株式(S&P500)+全米株式+全世界株式インデックスファンドを合わせて買っても、元々たくさん持っている銘柄をさらにたくさん買うだけに・・?

2022年12月3日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

相談業務では、
すでに資産運用を始めているお客様からの相談が7割強を占めています。

 

この2~3年、

相談者さまが保有する
「インデックスファンド」の中身を拝見すると、

 

〇 S&P500インデックスファンド
〇 全米株式インデックスファンド
〇 全世界株式インデックスファンド

 

『組み合わせ』がとても多いことに気付かされます。

 

 

 

 

お話を伺ってみると、

 

YouTubeなどで
いずれもお勧めのファンドとして紹介されていて、

 

 

どれかを選び切るということも出来ないので、
分散になると思って3本とも積み立てています。

 

と答えられる人が本当に多いのです。

 

 

ちょっと深呼吸してみましょう。

 

 

 

 

S&P500インデックスファンドと、
全米株式インデックスファンドは、

時価総額ベースで見れば、8割は被っていますし、

 

アメリカ株式のインデックスファンドと、
全世界株式インデックスファンドも、
6割がた被っています。

 

この「かぶっている」という感覚が少々分かりづらいので、

 

3つのインデックスファンドの「具体例」を挙げて、
それぞれのファンドの『上位組入れ10銘柄』を比較してみましょう。

 

 

まずは
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』

 

 

 

次に全米株式インデックスファンドは、


楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質的な中身である、『バンガードのVTI』(全米株式ETF)の『上位組入れ10銘柄』を挙げます。

 

 

 

 

最後に、
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』です。

 

 

 

 

どうでしょう?

 

ほとんど同じですね。

 

 

インデックスファンドは、
規模の大きな会社ほど、
その組入れ比率が大きくなるので、

『上位組入れ10社』がほぼ同じということは、

3つのファンドを合わせて購入しても、

 

元々たくさん持っている銘柄を、
さらにたくさん買うだけにならないでしょうか?

 

 

 

 

真の意味で『分散』を追求するなら、

 

S&P500インデックスファンド
  +
全米株式インデックスファンド
  +
全世界株式インデックスファンド

ではなく、

 

『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』のようなファンドを購入すべきでしょう。

??

 

上記ファンドは、
資産の「分散」を行い(株式・債券・REIT)、
それに加えて国・地域の「分散」も程よく行っています。

 

 

インデックスファンドの数を(なんとなく)3本、4本と持つことが、『分散』になるとは限らないのです。

 

 

株式インデックスファンドの場合、
投資対象の「市場平均」を隈なく効率的に買っていくため、

複数の『株式インデックスファンド』を併せ持っても、

すでにたくさん持っている「銘柄」を、
さらにたくさん買うだけになってしまうのです。

 

 

 

 

 

でも、カンさん!
とても一つのインデックスファンドに選び切れないですよ。

 

その場合は、
「全世界株式インデックスファンド」でOKだと思います。
(心の安寧につながりますよ。)

 

なぜなら、
「全世界株式インデックスファンド」は

『アメリカ株式』も、
『先進国株式』も丸ごと内包しており、

 

日本を含む47の国・地域が
あたかも「一つひとつの銘柄」のように機能するためです。

 

えっ!?

 

 

例えば、

 

アメリカ株伸びる!
他の46の国・地域イマイチ 
→ これが続くと、
→ 全世界株式インデックスの中の、アメリカ株式の組入れ比率「上がる」

 

 

あるいは、

 

インド、中国、インドネシアの株伸びる!
他の44の国・地域イマイチ 
→ これが続くと、
→ 全世界株式インデックスの中の、インド株、中国株、インドネシア株の組入れ比率「上がる」

 

みたいに自然に『変化』します。

 

ともかく、
シンプル イズ ベスト なのです。

シンプルにしておけば、やがてやって来る「取り崩しの作業」もラクになりますよ。

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